「同一賃金」無視し「同一労働」は押し付け サイコパスか?
早期退職を申請してからもうすぐ1カ月になる。この間に新型コロナウイルスがパンデミックに"認定"され、株価はどんどん下がり続けている。退職金が増えるのはありがたいが、世界恐慌まで噂される状況で失業者になってホンマに大丈夫かいな。
正社員と契約社員が混在
さて、前回の続き。組合専従の悲哀をたっぷりと聞かせてもらったので、今度はこちらから職場で常態化している労務管理上の問題を告発させてもらう。
実はオイラがいる部署は、外部とほとんど接触のない内勤とあって、契約社員が数名いる。例の雇い止めにつながる労働契約法改正で、大抵の者が正社員(無期転換)になっていたが、「(外勤になる可能性のある)異動が嫌」などの理由で、採用試験を受けなかった内気な者も少数いた。当然、給与をはじめ待遇面で差がついたままとなる。
ここまで説明を聞いた組合専従は、業務内容が同じにも関わらず、正社員と契約社員がいまだに混在して働いている環境に驚いていた。その契約社員の扱いがおかしなことになっていることが問題点だ。
「同一労働」のみ着目
「同一労働同一賃金」。まもなく本格的にスタートする働き方改革のお題目の一つとしてたびたび耳にするが、通常の思考であれば「同じ仕事をしているならば、正社員と契約社員で待遇に差をつけるのはやめましょうね」となるはずだ。
ところが1年半前に着任した陰湿なモラハラ部長は違っていた。「契約社員も正社員と同様に扱う」と言ったまでは良かったが、「同一賃金」はまるっきり無視し「同一労働」だけに着目していた。
部長は使えない正社員を排除し、古くからいる契約社員をリーダー格に就けようと画策。それはそれでありなのだが、昇給なしで手当もつけない。なのに仕事量は正社員の倍以上になってしまう。
サイコパスと同じ?
本人が抜擢と受け止めて、意気に感じているならば話は別だが、右肩下がりの会社で明るい展望を抱くのも難しい。そもそも意思確認はなく、本人も勤務シフトを見て初めて知ったそうだ。結局、青ざめた表情を見て察した正社員が、当日になってシフトを変わることにした。
「部長は着任したばかりで事情が分からなかったのだろう」…。この正社員はこう考えて「契約社員は待遇がまるっきり違い、業務内容も決まっている」旨を説明した。それに対し、部長が真顔で述べたのが「同じ職場なんだから同じ仕事をしてくれなくちゃ困るだろ」だ。
スローガンの一部を自分に都合よく切り出して信じ込めるのは、一種の才能だろう。罪悪感なくモラハラを実行できるわけだから、サイコパスと呼んでもいいのかもしれない。組合専従は呆れているのか。話を聞いても無反応だ。
また長くなってしまったが、もう一つ続きのエピソードがある。これはまた次の機会に。
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