早期退職したら生活水準はどれくらい落とせばいいのだろう
「エド・ウッド」(米映画、1994年)「ラ・ラ・ランド」(同、2016年)とハリウッドを舞台にした映画を続けて観た。情けないことにこれから失業者になる不安からか、どうでもいいことが気になり、どちらものめり込めなかった。
映画、音楽、舞台とジャンルは違えど、主人公らはエンタメ界での成功を目指し、プロデューサー探しに奔走したり、オーディションを受けたりと日々努力を重ねる。主人公らは貧しい生活を送っているという設定だが、これがいい暮らしにしか見えないから困る。
独り身のオイラが住むマンションの部屋を見渡せば…狭い、とにかく狭い。撮影スタジオの裏方、カフェの店員、レストランのピアニストとアルバイトはしているようだが、オイラよりも稼ぎが良いようにはとても思えない。
なのに自家用車を所有し、広い部屋に住んでいる。ドラキュラ役の元スターに至っては、「クスリが買えない、家賃も払えない」と言いながらも、落ちぶれてからも一軒家に住み続けていたとはうらやましい限りだ。生活水準が遥かに上ではないか!
念のため、ここで「日本の福祉をなんとかしろー」などと野暮なことを言い出す気はありません。エンタメ、しかもフィクションを見ているのに現実世界をオーバーラップさせて憂鬱になっていることへの自己批判を自虐的に展開したいだけです。
ちなみに東京で暮らしていると、エンタメの世界を目指す人って身近に結構いたりするが、不惑を過ぎても貧乏極まりない人が大多数。電車賃すら惜しくて自転車で移動し、自転車が壊れたら現地まで徒歩。急な仕事に備えるため深夜から始発までのシフトでアルバイトし、たまに仕事が入ると徹夜で働いている。夢を追い続けるって、半端な気持ちではできないんだね。
当たり前ながら観た映画は2本とも、泥臭いリアルな演出など必要でないことには気づいている。そんなシーンがあろうものなら、史上最低映画を作り続けたエド・ウッドの楽天性や、ラ・ラ・ランドのミュージカルシーンの華やかさがくすんでしまう。
せっかく映画を観てるのに実生活のことが頭をよぎって、作品の世界に没頭できないなんて、しかもカンヌ国際と米アカデミー賞の最高賞を獲得した作品だというのに…。もったいないお化けがでちゃうよ。
早期退職したら当然会社からの家賃補助がなくなり、賃貸契約の更新も近いので、引っ越すことを考えている。今より安い部屋を探すから、さらに狭くなるのだろうな。トホホ…頭の中は目先のことでいっぱい。
▼早期退職制度を申請するまで…始まりはこちら