就業制限に上司がキレた…産業医の指示もスルー?
新型コロナウイルスによる業績悪化を見越して、入社予定者の内定取り消しが相次いでいる。在宅勤務する社員の多くは、ネット回線が不安定で仕事にならないとか。いやなニュースばかり流れ、会社全体がどんよりとしてる。まさか退職金の割り増し額を減らされたりしないよな。
疾患持ちのたまり場
前回の続き。契約社員を巡る労務管理上の問題を話し終えたオイラに対し、組合専従が無反応なのは気になるが、構わずにもう一つの問題を訴え始めた。
今いる部署の業務内容は、他の部署より心身ともに負担が軽いとされており、結構重度の疾患持ちが回されてくることが多い。オイラも鬱症状と診断され、長期療養明けに異動してきた。
となると、夜勤ダメ、残業ダメ、週4日以内など、産業医からさまざまな就業制限をかけられている部員が多い。管理する側としては頭の痛いところだろうが、致し方ない。
あるとき、疾患持ちの一人が産業医から新たに就業制限をかける旨を通告された。産業医から部長に直接指示が出るので、報告する義務はないのだが、生真面目に事前に伝えたのが間違いの元だった。
「何が悪いんや」
直立不動で報告する部員に対し、明らかに不機嫌になっていく陰湿なモラハラ部長。「何が悪いんや」と聞き返す。
- 疾患持ち「はい? 医者じゃないので詳しいことは…」
- モラハラ「そんなこと聞いてない! 皆がやってる勤務が、なんで○○だけできないんだ! せっかく作ったシフトをどうしてくれるんだ! また作り直すのか!」
部員の言葉を遮り、いきなりキレ出した部長に皆ア然。部員は「なぜできないのかは産業医に…」。
ア然を通り越して皆、目が点に。部長がさらにモラハる。
- モラハラ「急に変更になったら皆に迷惑がかかる。このシフトのままでいいな?」
- 疾患持ち「迷惑かけずに済むのなら、それが一番いいとは思いますが…」
- モラハラ「よしっ、言ったな! 確かに○○は『このままでいい』と言ったからな!」
話の通じなさに脱力した部員に対し、アホ部長がその後もネチネチと嫌みを浴びせ続けたのはいつもの通りだ。
「どこもそんなもの」
「言質を取った」とばかりに勝ち誇った様子の部長だったが、当人にいかに言い含めたところで、産業医からの指示に従わなければ、後々大きな問題に発展しかねない。
総務辺りから指摘されたのか、就業制限はすんなりと始まったが、認めずに職場で倒れていたら、どうするつもりだったのか。小心者のくせに危機管理の意識がズレている。そもそも管理職としての素養が…。
喋り続けるオイラに対し、組合専従が相づちすら打たなくなっていたことが気になり、言葉を止めた。しばし沈黙。
「どこもそんなもんだよ。大丈夫か? お前はもう辞めてからのことを考えた方がいいぞ」とポツリ。
精神のバランスが?
これまで斜に構えてきたオイラが、辞める間際にムキになり訴え出てきたことに違和感を覚えたようだ。確かに自分らしくない行動だ。
長年勤めた会社をリストラされる。なんだかんだ言って精神のバランスがおかしくなってるのかもしれない。会社に愛着がまったくなかったわけでもない。恥ずかしくなってきた。
少し気まずくなったものの、組合専従には軽く礼を言ってから別れる。早期退職の申請を承認したとの連絡は来ず。来週に持ち越しとなった。
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