これリストラかも…どうしよ?

人事から突然届いた一通のメール

部局長からリストラせよ 「平社員よりも再就職に有利」

  センバツ高校野球が中止になった。送別会もないかもしれん。早期退職の面談で社長から言われた「部長や局長のほうが非常に切実だった」。なぜそのような言葉が出てきたのか、ようやく事情が分かった。一方、退職勧奨を受けた後に居座る社員の所業の悪さも見えてきた。

 エレベーターホールで組合専従の顔見知りとバッタリ会った。めったに職場に来ないのでかなり久しぶりになる。

 オイラが早期退職を申請したことは知っているようで、休憩スペースで少し話をすることになった。新型コロナウイルスの影響か、人が少ないのはありがたい。

 社長の発言について真意を知りたい旨を伝えたところ、教えてくれたのだが、組合からの要求で一年ほど前に部長クラス以上を対象に退職勧奨いわゆる「肩たたき」を会社に実施させたそうだ。

 50代が転職する場合、経営判断や管理能力を問われることが多いので、「再就職活動を有利に進められる管理職から先に辞めるべき」という理屈だとか。

ふとんクリーナーはレイコップ

組合が捻り出した奇策

 組合員を守るため、こんな奇策を捻り出していたとは知らなかったので驚いた。しかし、このときの退職勧奨に応じた管理職はゼロ。面談ではおおむね「不安だ」「家のローンが」「子供が小さい」などと訴えていたという。それって、平社員なら容赦なくはねつけられそうな理由ですだよ。

 となると、面談で社長が発した「部長や局長のほうが非常に切実だった」の一言は、平社員の分際で会社にしがみつこうとしなかったことへの不満の表れとなる? 会社への愛情を訴えたうえで、「定年まで働かせてくれ」と懇願すれば、満足したというのか。そう解釈してしまうオイラはひねくれ者?

「辞めたほうがいいよ」と言っておきながら「辞める」を選択すれば「忠誠心がない」かのごとく判断する。確かに会社愛ないけどねぇ…。退職勧奨ってなんだろ。社長がとてつもなくつまらない人間に思えてきた。

グーペ

居座り社員の悪行も

 一方、退職勧奨を受けながら、会社に居座った一部社員の所業も褒められたものではなかった(推定無罪の状態だが)。意にそぐわない異動=左遷された腹いせからか、匿名で嫌がらせのようなメールが届いているらしい。

 組合専従は「組合の幹部を名指しで『バカ、アホ、能無し』とか罵倒してくるんだぜ。毎日のように」と嘆息する。うちの労組は、オイラが入社する前の遥か昔から労使協調路線を取り続け、加入率だけは抜群にいい。

 そして、委員長経験者は将来の取締役候補となる。経営が苦しくなれば委員長自らが真っ先に「我慢しよう」と言い出すような、誰もが認める「御用組合」だもんな。

 何か言われたところで、いまさら傷つかないだろうに。組合専従は「これまで組合に協力してこなかったのに、自分が左遷された途端に『権利闘争しろ』って筋が通ってない」と愚痴る。

「組合」=「宴会」

 続けて「『組合費で豪遊するな』とかいつの時代の話だよ」と涙目になってきた。かつて組合幹部が地方へオルグに行けば、そこの管理職が「俺を仲間外れにするな」と怒鳴り込んでくるぐらい、「組合」=「宴会」の印象はあった。

 さらに「お金ありません! 貸せるお金なんてありません!」と組合専従。手当カットや左遷で給与が減り、借金を申し込んでくる組合員も増えているそうだ。だいぶ感情的になっているようだが、終始ひそひそと話している様子は、さすが組合執行委員の一人だと感心した。

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PexelsによるPixabayからの画像

 

 結局のところ、バブル時代に会社の経費を湯水にごとく使ってきた世代がリストラに遭い、組合に八つ当たりしている構図が浮かんでくる。オイラも含めて、この世代は自分の身に災難が降りかかるまでは他人事。自分だけはその災難を逃れることができる、って根拠なく信じ込むタイプが多い。

 さて、組合専従の人間とゆっくり休んで会える機会は少ない。さんざん愚痴を聞いてやった見返りとして、せっかくなので今いる部署の労務管理上の問題について話を聞いてもらった。こちらも長くなりそうなので次のブログで。

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