優遇制度で今辞めるのは「君のため」だそうだ
「俺のこと本当に心配してくれてて…。すぐに『分かりました』って答えたよ」。一瞬わが耳を疑ったが、これこそが「肩たたき」ではなく「退職勧奨」たる所以だろう。
面談の様子が知りたくて、早期退職制度を利用したと思われる先輩と電話で話した。社内での状況が似ていたことからの人選だ。
- 年齢が近い
- 親密に付き合う同僚はいないが、周りから嫌われてもいない
- 第一線から退いて後方支援の部署に回されたが、「できない」と評価されてはいない
共通点はこんなところ。面談が迫っていることを素直に伝えた。
性格も自分と似ており、周りのことに首を突っ込まず、あれこれ詮索もしない。自分以外には関心ないのだ。アドバイスが皆無なところも好ましい。
先輩の面談は以下の通り。
相手は局長クラスだったそうだ。名前と顔はもちろん知っているが、同じ部署になったことはないとのこと。そりゃそうだろう。以前から付き合いのある部下に、泣き落としなどされたらたまったもんじゃない。
開口一番。「○○の案件をやってた○○クンだね、君が仕事ができるのはよく知っているよ」と褒め倒され、「今の(会社の)状況では同じ仕事を続けさせたくてもできない。『優遇』制度を利用できる『今』辞めるのは君のためなんだ」と説得され、あっさり陥落。先輩は目頭が熱くなるほど感動し、即決したとさ。
おいおい、相手の思う壺では・・・という突っ込みはせず、丁寧に礼を述べて電話を切った。あぁモヤモヤする。面談日が決まって以来、モヤモヤしっ放しだ。